
香椎宮(かしいぐう)は、福岡県福岡市東区にある神社。旧官幣大社。仲哀天皇、神功皇后を主祭神とし、応神天皇、住吉大神を配祀する。「香椎」の名は敷地内に香ばしい香りの「棺懸(かんかけ)の椎」が立っていたことに由来するという。香椎廟。香椎神宮と呼ばれることもあるが正しくは神宮ではない。
社伝では仲哀天皇9年、熊襲征伐の途中橿日宮(かしひのみや、古事記では訶志比宮)で仲哀天皇が急逝したため、神功皇后がその地に祠を建て天皇の神霊を祀ったのが起源とされる。養老7年(723年)、神功皇后自身の神託により朝廷が社殿の造営を始め、神亀元年(724年)に竣工したと伝える。この2つの廟をもって香椎廟とする。万葉集には神亀5年(728年)、大伴旅人らが香椎廟を拝んだ後に詠んだ歌が収録されており、香椎廟はそれ以前から存在していたとみられる。
「ちはやふる香椎の宮の綾杉は 神のみそきにたてる成りけり」 新古今和歌集